2023.11.7

株式会社ユニリタ

サービス名:GrowwwingRanabase
業種:ITサービス

導入前の課題
  • 試使用から本契約にいたる業務プロセスの期間が長期化
  • チームメンバーのCS活動を標準化したいが、経験者や実績が限られていた
導入後の効果
  • 契約までの期間を従来の1/3に短縮
  • CS活動の標準化が進み、チームのコミュニケーションコストを削減

株式会社ユニリタは、カスタマーサクセス活動を管理・支援するプラットフォーム「Growwwing(グローウィング)」を提供しています。ITシステムで長年の実績を持つ企業から生み出された新規サービス事業は、既に数多くのSaaS企業に導入し活用されています。しかし、新たな事業かつチームであるがゆえの課題も抱えていました。
今回はGrowwwingチームの尾上さんと駒崎さんに、CS Harmonyの導入背景と適用効果について伺いました。

ご担当者様:
株式会社ユニリタ クラウドサービス事業本部 DXイノベーション部 部長代理 尾上 雄馬 様
株式会社ユニリタ セールスユニット カスタマーサクセスディビジョン カスタマーサクセスチーム 駒崎 彩香 様

自ら作ったツールがGrowwwing事業の原型に

――― Growwwingはどういったサービスでしょうか?

尾上さん:まずは弊社の事業について話をさせていただくと、ユニリタは情報システム部門向けパッケージソフトウェアの開発および運用サポートを行っている会社です。これまでの事業展開を通じて複数の製品サービスを提供しています。その中で私は、サービスマネジメントによりヘルプデスクの課題解決を支援する「LMIS」の販売に携わっていました。

当時のLMISではお客様のチャーンレート(解約率)が高まっていたことが課題でした。そのためカスタマーサクセス(CS)のチームを立ち上げて問題解決を図ろうとしましたが、我々が望むようなCS活動の管理ツールが国内にはありませんでした。「ツールがなければ自分たちで作ろう!」ということで、元々私がLMISのサービス開発を担当していたこともあり、LMISをカスタマイズしてCS活動を管理するようにしました。すると当時10%近くあった年次のチャーンレートが1年後に半減、さらに翌年も半減といった感じで3%まで改善することができたのです。

このLMISのCS活動で使用した内製ツールがGrowwwingの元になっています。そしてチャーンレートを下げた効果からツールではなくCS活動の管理・支援をするプラットフォーム事業としての展開を2020年10月に開始しました。およそ3年の月日を経て、今では多くのお客様にご活用いただいています。

CS支援の現場で起きている肌感覚を言語化したかった

――― Growwwing事業のカスタマーサクセス組織活動で感じていた課題感は何でしょうか?

尾上さん:事業化により、CS、開発、マーケ、セールスといった必要なリソースを組織専門として有しており、Growwwing業務の全体設計は、弊社のBPMツールである「Ranabase」を使って可視化できていました。ただし、可視化した業務における成果物の品質をどう担保していくかが課題でした。

品質改善についてメンバーに聞いても「もっとよくできると思います」といった返答になることもあり、対応も各個人のスキルに依存している状況でした。そのためカスタマーサクセスマネージャ―(CSM)が感じている現場の課題感を言語化して共通目的や意識を醸成していくことに難しさを感じていました。

駒崎さん:現場で起きている問題や自分が感じている課題を、原因分析していくためになんとかしたいと思いつつも、自分一人では限界を感じていました。それなりの経験や知識を伴っていないと、自分の判断に自信をもてるまでの深掘りができないことが課題でした。加えて、Growwwingはまだ新しいサービスのため、過去の実績や経験者が弊社の他サービスと比べて少ないといった点でも参考にできる情報や社内の相談先が限られていたこともあります。

CS Harmony適用によって受注達成し、提案の活動期間も1/3に短縮成功

――― CS Harmonyを利用してみていかがでしたか?

尾上さん:CS Harmonyについては、成果物に着目するアプローチから、我々が課題を感じていたプロセス品質の向上に対して改善できると期待しました。また弊社のRanabaseとの連携の可能性にも興味があります。

まずはスタータープランを使ってRanabaseで作ったGrowwwing の業務プロセスを診断いただきました。たった2週間程度の期間でGrowwwingの複雑性が高い業務プロセスを分析していただき、実際にそのプロセスは我々が課題認識していたものでした。「プロセスを見ただけで問題がわかる」ことの価値に非常に共感しました。さらにプロセス改善の方針までをご提案いただきましたので、まずはその対象プロセスの改善にお付き合いいただいたというのがCS Harmonyを利用した経緯になります。

Ranabaseを分析したPReP Model

駒崎さん:対象プロセスとは、Growwwingをまず試していただいてから本採用に進むプロセスです。Growwwingの提供価値の特性上、お客様の課題感や状況に合わせた対応が必要になります。Growwwingを試使用いただいてから本番活用できるかの判断に時間がかかることもあって、1年近く検討を要する場合もあります。一口に試使用といってもステージが異なるお客様の状態に合わせた対応をどうすればいいのか、この問題解決に対して言語化に苦戦することも少なくはなかったです。

そこにCS Harmonyのコンサルタントが伴走して「問い」を出しながら、言語化を支援していただきました。また顧客状態についても業務プロセス観点から状況を構造化して整理してくださったので、品質担保に欠かせない説明内容や提案資料の構成要素も明らかになりました。

――― 支援の結果、具体的にどんな成果があったのでしょうか?

駒崎さん:伴走支援していただいたことで、自分のお客様対応の行動が変わっていきました。具体的には提案資料の構成、Growwwingの訴求ポイント、顧客課題の伝え方など、それぞれのステージに応じた内容説明を今までよりも適切に実施できるようになったと思います。

実際にGrowwwingの試使用プロセスにいたお客様からも本契約に進んでいただき、受注することができたのです! また検討期間も 3.5 ヶ月ほどで従来の 1/3 に短縮できました。さらに、CS Harmonyのおかげで品質担保のポイントも整理できたので、自分が受けもつ他PJにも並行して適用できました。提案活動のパターン化が進んだことも成果です。

また、自分の判断に対してより自信がもてるようになったので、今回の資料構成を使って社内での議論を行うことでチーム全体の共通認識をもちやすくなっており、組織のコミュニケーションコストを下げることもできたと考えています。

Growwwingの顧客にもCS Harmonyを提供していきたい

――― CS Harmonyに対してどんな期待があるでしょうか?

尾上さん:我々も自社のBPMツールRanabaseを使って業務フロー観点からプロセス整理していた中で、CS Harmonyが提供する品質観点でのプロセス整理を組み合わせる相乗効果を強く実感しました。まずは、Growwwing全体の業務プロセスに適用して組織改革を継続して進めたいと考えています。他にも、弊社には複数の製品やサービスがあるので、そこへの適用も期待しています。

またGrowwwingを活用いただくお客様の業務プロセスを整理することも我々の事業範囲となるため、我々のお客様に対しても適用できるよう、CS Harmonyと業務連携をしてより多くのお客様の課題解決を進めて行きたいです。


Growwwingのカスタマーサクセス活動をより効果的・効率的に行えるよう今後もサポートさせていただきたいと思っています。尾上さん、駒崎さん、ありがとうございました!