2022.8.5

株式会社カンリー

サービス名:Canly(カンリー)
業種:ITサービス

導入前の課題
  • ニュース情報では顧客理解の範囲が限られてしまっていた
  • 属人的な顧客理解の深め方に限界を感じていた
導入後の効果
  • 本質的な顧客理解から顧客動向に対する感度と解像度が高まった
  • 顧客の業務フロー全体を変革する提案でコンペに勝利できた

株式会社カンリーは、複数の店舗情報を一括管理・分析することで、運用コストを削減し集客効果をあげる「Canly(カンリー)」を提供しています。チェーン展開される顧客を中心に20,000店舗以上の導入実績があるサービスです。
今回はカスタマーサクセスチームのマネージャーである藤林さんに、CS Harmonyの導入効果について伺いました。

ご担当者様:Canly事業部 カスタマーサクセスチーム マネージャー 藤林 郁三 様

店舗情報の一括管理によって顧客の実店舗マーケティングを支援

――― Canlyはどういったサービスでしょうか?

我々はチェーン展開をされている店舗ビジネスに向けたマーケティング支援を行っています。チェーン展開されているお客様は、本部からの情報を各店舗まで素早く伝達して更新しなければなりません。こういった情報更新は自社サイト内だけならまだしも、SNSや口コミのポータルサイトなどにも対応しなければならないため、集客チャネル全体をカバーするのに手が回らない状況です。

また、消費者側の行動起点もGoogleのような検索エンジンが主流になってきました。飲食店の場合はGoogleマップで周辺店舗を検索して表示された店舗に来店される人が非常に多く、集客観点で考えると自社サイト以上にその存在が重要となっています。

この複数にまたがる情報管理を行うのがCanlyです。お客様はCanlyを利用することで、GoogleビジネスプロフィールやYahoo!プレイスなど複数媒体の店舗情報、口コミの一括管理が可能となります。さらに自社サイトやSNSとも連携可能なため、お客様がこれまで行っていた情報更新、口コミ対応、データ分析などのマーケティングに関わる運用コストを削減し集客効果を高めることができます。

本質的な顧客理解のためには外部サポートが必要だった

――― カンリー様のカスタマーサクセスはどういった活動内容でしょうか?

弊社はカスタマーサクセスチームとカスタマーサポートチームの2つに分かれています。カスタマーサクセスチームは、Canlyのオンボーディングや活用促進を担当しており、顧客伴走しながら次期契約に向けてリニューアル、アップセル&クロスセルを達成するのが主な活動です。カスタマーサポートチームは、お客様からの問い合わせ対応やカスタマーサクセスチームの支援を行っています。

――― カスタマーサクセスの組織活動で感じていた課題感は何でしょうか?

一言で言えば「本質的な顧客理解」です。Canlyの導入拡大に伴いチームも大きくなったことで、お客様対応にかける時間が増えてきました。CSMは複数顧客を担当しているため、顧客理解の重要性はわかりつつも目の前の対応を優先しなければならず、課題を感じていました。

我々もGoogleアラートやSlackを利用して、担当顧客の動向をキャッチアップする工夫はしていますが、それらから得られるのはニュースレベルの浅い情報になってしまいます。

我々のお客様は1ブランドで100店舗以上の大規模な店舗数を抱えていたり、少数店舗でも複数ブランドを展開されたり、直営やフランチャイズなどチェーン形態も様々であったりと業務のオペレーションが複雑です。その上、飲食・美容業界以外にも貸会議室運営や銀行業など、業種も多岐に渡っているため業界理解も簡単ではありません。

顧客理解の広さと深さに課題を感じつつもCSMごとの属人的な対応に限界を感じており、外部のサポートを求めていました。

CS Harmonyがなければコンペに勝てなかった

――― CS Harmonyを利用した結果はいかがでしたか?

CS Harmonyは顧客理解の深掘りと幅を広げるための強力なモデリングソリューションだと感じました。お客様の業務のAsIsとToBeが整理され、そこに対してCanlyのサービス価値がどこにあるのかを明確にしていただきました。顧客業務の表面ではなく内部構造を把握できたため、顧客業務の本質的な理解に繋がったという感覚です。

本質的にお客様の業務を理解できたことで、ニュースをキャッチアップしたときにお客様の業務変革や事業目的と紐付けて考えることができるようになり、顧客動向の情報に対する感度と解像度が高まりました

またお客様の業務を言語化できたことも大きかったです。ワークショップを通じて担当顧客の業務をモデリングしていただきましたが、ワークショップ中に「まさに自分が伝えたかったことはそれだ!」と感じる瞬間が何度もありました

自分の中で暗黙知であった内容が言語化されたことで、お客様の業務目的と実際の業務フローの結びつきに対する私自身の顧客理解が改めて強化されたのです。曖昧な部分がなくなったことで、お客様の状況説明やCanlyのサクセス戦略を社内で共有しやすくなりました

実際に本質的な顧客理解の効果を強く感じたのは顧客コンペに勝ったときです。競合相手には大手や外資系企業も含まれていましたが、我々のサービスを選んでいただけました。

コンペ提案時に、我々はCanlyを導入した部分だけの効果を説明するだけにとどまらず、お客様の業務フロー全体に対してCanlyの効果を説明しました。お客様からも業務全体を踏まえた競合との差別化が明確であった点を評価いただきました

コンペで熱量と自信をもって提案できたのは、顧客業務の本質的構造を理解できていたからこそでした。もしCS Harmonyで顧客理解を深められなければ、ここまで説得力のある提案ができなかったですし、今回のコンペを勝ち抜く結果には至らなかったかもしれません。コンペの勝因は間違いなく顧客理解の差だったと思います。

顧客業務の構造化を他業種にも適用して標準化を進めていきたい

――― CS Harmonyにどんな期待があるでしょうか?

我々は「店舗にかかわるすべての人に最も信頼されるインフラを創る」ことを目標としています。そのためにはCanlyによるマーケティング支援で、店舗の顧客接点や体験をより向上させることが重要だと考えています。

Canlyがよりよい顧客体験を提供するためには、我々カスタマーサクセスチームがその土台作りの中核を担っていくべきだと考えており、そのためには幅広くお客様に対応できるだけの提案パターンを拡充することが必須です。

今後はCS Harmonyを使った顧客業務の構造化を他業種にも適用して標準化を進めていきたいと考えていますが、このソリューションの内容理解や効果実感について敷居が高い部分があります。使ってみるとCS Harmonyでしか得られない価値を強く実感できますが、そこのサクセスに至るまでの時間がもっと速ければと思っています。

カスタマーサクセスにとって、CS Harmonyはこれからより必要とされていくソリューションだと思いますので、頑張っていただきたいです。


Canlyのカスタマーサクセス活動をより効果的・効率的に行えるよう今後もサポートさせていただきたいと思っています。藤林さん、ありがとうございました!